思うところがあるのでしたためます。かなり妄想もあります。マサカリ御免。新元号発表とかエイプリルフールもまったく関係ありませんっ
自分の管理職歴
前々職
管理職の経験は無し。全体では100人ほどになるPJのチームリーダーを2,3年。今で言うtech leadに近いかもしれない。
前職
正式には2年だけど大体3年ほど管理職の肩書だった。(みなしだけど)残業代は出ていたので労基法が言う管理監督者ではない。 事業がSES主体で指揮命令権がお客側にあるため管理職のできることはあまりない。そういう意味で一般的な管理職に比べては、裁量は少ないように思う。
管理職の(本来の)仕事
思いつくのはこんなとこだろうか。
自分が目にしてきた管理職の問題点
どれが前職でどれが前々職かは言及しない。。。
- 部下とのコミュニケーションが不足している
- 管理職の活動がメンバーに見えない
- 管理職のキャリアパスがない
順に説明する。
部下とのコミュニケーションが不足している
上司とのコミュニケーションを優先してしまうパターン。当該管理職の上司(事業部長とか役員)がマイクロマネジメントなことが多い。上ばかり見させられて、メンバーの声を聞いたり表情を気にする余裕がない。結果としてトラブルやメンタル的にやられる人への対応が遅くなる。(そして本人も。。。)
管理職の活動がメンバーに見えない
この問題による最大の弊害は管理職が育つ土壌が作られないことだ。
周りからはあの人何をやってんだろと思われているだけで、管理職業務として具体的に何をinputし何をoutputしているのかが見えない。 そのためメンバーが「自分だったらこうするのに」といった思いを持ちにくくなる。こういった「こうするのに。こうしたい」という思いが成長するための土台になるのに。
管理職のキャリアパスがない
このツイートを引用すれば済む話だけど。。。
技術者など専門職の給与の絶対額が低いのは日本企業の大きな問題。だがそれ以上に問題だと思うのは昇給の“仕組み”。技術者らが昇給したければ、専門家としてのプロの道を途中で諦め、マネジャーの見習いにならないといけない。つまり日本企業は日々、多くの専門家を失い、素人管理職を増産している。 https://t.co/NxKbh89Xij
— 木村岳史(東葛人) (@toukatsujin) 2019年2月7日
専門職の待遇は割と改善されているのではないか。それよりも「素人管理職を増産している」を問題にしたい。 専門職のキャリアパスが無いことはよく言われるけど、管理職のキャリアパスだって無い。
以下は雑なイメージ図です。図で言う管理職の点線部分が本来は用意されるべきものと思う。
専門職としてキャリアをスタートし30歳を過ぎたあたりでキャリアチェンジを迫られることが多い。よく聞く話です。一方で多くの専門職が大した準備もなく素人管理職になっていく。 準備不足の新米管理職の大半はうまくいかなくて当たり前で、数年でようやくまっとうな仕事をできるようになる。プログラマだってまっとうな仕事をできるようになるには数年かかるだろうし、システムエンジニアリングに関する書籍と管理職に関する書籍の読んだ冊数には大きな開きがあるはず。 そんな状況だと、管理職業務が軌道に乗るまでの間その部署ひいては会社は停滞する。下につくメンバーもハッピーではない。
管理職にセンスは必要か
プロジェクトマネジメントに比べると管理職はセンスが要求される場面は少ない。スキルを学べば多くの人には務まる。学ばずに、学ぶ環境を与えられずに管理職になってしまうことが問題。 自分も管理職は向かないなぁと思っていたけど、好き嫌いは置いといてスキルを身に付けさえすればある程度は務まるのかもと、多少考えが変わりつつある。
外国はどうか
カナダで仕事をしたことのある人によると、その人がいた会社では管理職は20代のうちから管理職として採用されて、数人のマネージメントやシニアの管理職の補佐としてキャリアをスタートするそう。本来はそうあるべきでしょう。管理職だって専門職の一種なんだよね。
とはいえ、Manager's Pathを読むと外国でもエンジニアからマネージャー、経営層というキャリアパスもあるみたいだ。悩みは世界共通なのかも。。。
昨今の、管理職を忌避する風潮について
ググるとたくさんその手の情報は出てくる。よく分からんけどバブル以前は誰がやってもうまくいったのかもしれない。最近はそうもいかなくなって、管理職の負荷が上がったり専門職の地位が上がっているというのもあるのかも。
でも、みんな専門職として採用されており、管理職をやるつもりで入社したわけではないので当然といえば当然なんだよね。 このような若者の風潮に対し、既存の経営者や管理職が「サラリーマンなんだから管理職も務めて当然だろ。文句言うな」と言っているうちは良い管理職は生まれない。 この既存の経営者や管理職は先天的に管理職の素養を持っているレアな人にもかかわらずその自覚がなく、一般ピープルも管理職の素養を先天的に持っていて当然と思っているフシがある(偏見)。 あなたは天然モノの管理職なのです!会社組織としては再現性をもって養殖せねばならない。
ではどうすべきなのか?
だんだん息切れしてきた。
管理職が余裕を持てるようにする
管理職が本来業務に集中できるよう上位者が配慮しないといかん。最低限月イチ30分の1on1をできないような組織は死んでいる。 それに、管理職がつらそうだと誰もやりたがらない。多少大変でももっと楽しそうにした方が良い。
管理職業務の見える化
管理職しか見えない情報は極力なくし、誰でも社内の情報にアクセスできるようにする。これにより、管理職のinput/outputが分かり活動が見える化できる。 結果として管理職を育成する土壌ができると思う。
管理職のキャリアパスを若いときから用意する
具体的にはJob Descriptionによる管理職採用。と言ってみたけどこれは今の一般的な日本企業では無理でしょう。。。中小企業だと特に。先に挙げた2点が短期的な対応なんだろう。
おしまい
最近はティール組織って言葉を聞きますね。本来は管理職なんてなくても会社が回るのが理想だろうけど、一足飛びにそんな状態になるわけはなくしばらくは必要でしょう。 管理職に任命された方が前向きにできると良いですね。
以下の書籍は良書です。管理職をやるつもりのない人でも誰しもリーダーシップを持つ必要はあるので一読をおすすめします。
エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド
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エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
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退職エントリー
突然ですがここから退職エントリーです。上記の管理職に関する記事とは全く関係がありません。すみません。管理職が嫌だったから辞めたということもありません。退職エントリーを書けと言われたもののあまりおおっぴらに書くような大層な人間でもないので、こちらにひっそりと残します。マサカリ御免。
2月末で株式会社日本システム技研(以下JSL)を退職しました。在職中は大変お世話になりました。ありがとうございました。
やっていたこと
Django、AWSを使ったシステム構築が主でした。APIを作ることが多く、今でもDjango Formは苦手意識がかなりあります。最近1年はVue.jsとFirebaseを使った開発をしてました。
JSLのいいところ
- 長野にある
- トレンドの技術を学べる
- 残業が少ない(多い時期も全く無いことはなかったし、多い人もいたけど
m(_ _)m
) - いろいろと自由。出退勤の時間、服装、髪型、ヒゲ、腰が曲がっていいてもOK、ギーラボの存在
- 規模の割には給与が良い
JSLのよくないところ
いいところだけだと何か嘘っぽいので、よくないところも挙げます。
- シニア世代の方々とどうしても溝がある
- 情報の透明性が足りない面がある
- ITSじゃない
- 大企業と比べるとどうしても待遇面では劣る
フォローすると、改善はされつつありますよ。
なんで辞めたの?
一度事業会社の社内SEをやってみたいと思っていた所、ご縁がありました。JSLが嫌だったから辞めたわけではありません。JSLは良い会社だと思います。気軽に応募してみてください!!!
次は決まってますが、しばらくは無職です。