@kotyのブログ

PythonとかAWSとか勉強会のこととかを、田舎者SEがつづります。記事のライセンスは"CC BY"でお願いします。

「教育格差 ──階層・地域・学歴」読了後メモ

かなり重い内容ではあった。

本書では、大卒か否かで生涯賃金に厳然たる差があること、さらには大卒か否かは家庭の環境と強い相関があることを客観的に示しており、やはり大学は卒業しておいた方が良さそう、また何らかの親の介入が必要そうという認識を持った。こんなことはほかのご家庭であれば常識なのだろうな。

自分の親は高卒かつ、健康でありさえすればどうにかなるという考え方で、私の進路に何らアドバイスをしたことも選択肢を提示したこともなかった。 三者面談のときに私の志望大学を聞いて「そんな大学があるんですか?」と言い放って担任を唖然とさせたのは今でも語りぐさである。本書で言う低SES家庭である。 しかし偶然たまたま私は選択肢を自力で見つけ、偶然たまたまその選択肢に向かって努力でき、大卒者となった。 この体験があるので、自分の子供に対して選択肢を提示することや勉強を促すことに本書を読んだ後もまだ抵抗がある。健康でありさえすれば大卒であろうがなかろうが自由でいいのではないか、偶然たまたま大学に行ければそれでいいんではと。。。

日本は教員免許制度、教科書検定などの義務教育の諸制度のおかげで傍目には平等な教育機会を持てているように思われている。しかし生まれた家庭や地域によって機会の不平等があると客観的に本書では示している。そして階層、地域による教育格差を縮めていくためにいくつかの提言をしている。

とまあそれはそれとして、せっかく持っている学歴を活かした子育てをした方が、多額の資金を投じて大学へ行かせてくれた私の両親への恩返し(恩を売ったつもりはないだろうけど)にもなるし、社会にも資するのではないかと、ひとりの親としては感じたのだった。